こんにちは。よるこです。
夜の銀座で働く現役ホステスです。
「うちのお店は現金手渡しだから申告しなくてもバレないだろう」
そのように考える夜職女子なぜか税務署にバレて追加徴税ウン十万円という痛い目を見た実話を、過去記事で紹介しました。
↓具体的な確定申告のやり方を知りたい方、申告するべきか迷っている方は先にこちらからお読みください。
【税理士に聞いた確定申告のホント】夜職の無申告はなぜバレる?現役ホステスが解説
申告自体は面倒な作業ですが、必ずしも徴税されて損をするというわけではありません。
源泉徴収として知らない間に払い過ぎていた税額が戻ってくるケースもあるので、税金対策をするメリットも大きいです。
本日の記事では、「確定申告でやってしまいがちなミス」とともに損をしないために気をつけるべきポイントについて解説します。
経費計上しても良いもの、ダメなもの
まず、確定申告と納税額の仕組みについて確認です。収入とともに必要経費についても申告し、ざっくりとですが差額の所得に応じて税率がかかります。
1年間の収入が1000万円だったとしても、経費に500万円かかっていれば、所得500万円分の納税で良いということです。
必要経費のレシートはしっかりと取っておいて申告することが、納税の負担額を少しでも軽くするために必要作業になります。
しかし、仕事に関係のないプライベートのレシートも混ぜて何でもかんでも経費計上できるわけではありません。
事業経費に含められるかどうかは、以下のポイントでジャッジされます。
経費に含められるもの
1.売上を獲得するために直接関係するもの
2.売上を獲得するために、必要性があること
3.仕事・私用が混ざるものは、仕事用の金額を明確に区別できること
以下、経費計上しても良いのか迷いやすい項目について解説します。
ファッション、洋服代、衣装代
明らかにお店でしか着ないようなドレス・着物代に関しては、経費計上できます。
高額な衣装も多いので、しっかり領収書を保管し計上しましょう。
ただし、プライベートでも着用できるデザインの洋服や、その他靴やアクセサリーなどアイテムに関しては注意が必要です。
芸能人やスポーツ選手の申告漏れ・脱税にも衣装代やアクセサリーの経費計上が認められなかったケースが多々あります。
以下は、とあるプロ野球選手が高級紳士服やアクセサリー、家族との外食代やハワイ旅行代を経費計上し、認められなかった事例です。
取引の記録等に基づいて業務の遂行上直接必要な部分を明らかに区分していた事実を確認することはできないし、他に業務の遂行上直接必要であったことを明らかに区分することができると認めるに足りる客観的な証拠もない。
名古屋国税不服審判所 2017年5月8日裁決
余談ですが、
同じ野球界でも新庄剛志さんの真っ白な歯のセラミック代に関しては、税理士的に「経費でOK」とのこと。
なぜなら、歯に200万円かかっていても、CM出演で1000万の売上を上げているなら事業への”経済的合理性がある”と判断できるからだそうです。
どうしても計上したい場合は、
- 業務に直接必要であるという証明(身につけることでお客さんへの印象に大きく影響し経済的プラスがある、など第三者が納得できる根拠)
- プライベート目的でないと明らかに区分できる客観的証拠
が必要になります。
「40%は仕事で、60%はプライベートで使用したので、購入額の4割だけ経費計上する」
という判断をする場合もありますが、客観的証明を用意するのが非常に難しいです。高額なブランド物になると特に目をつけられやすいので、計上せず私用として考えるのが安全です。
明らかにお店でしか着ないようなドレス・着物・コスプレなど衣装代
化粧品、美容エステ、美容サロン
出勤時のヘアセット代や着付け代に関しては、経費計上が可能です。
毎日かかる経費なので累計するとかなり大きい額です。
こちらもしっかりと領収書をもらい、経費にしましょう。
その他、化粧品代や美容エステ代に関してはどうでしょうか。
芸能人のようにキャバ嬢・ホステスも見た目の美しさが大事なお仕事ですから、経費にしてしまいたいところです。
しかし、化粧品はプライベートでも使えますし、その他美容クリニックなどの代金もプライベート目的とも考えられます。美容代の項目に関しては、税理士さんの間でも意見がわかれる難しい領域です。
ナイトワークの女性を多数担当する税理士の先生に伺ったところ、
「仕事とプライベートの割合に応じて一部経費とする場合もあるが、計上する割合は控え目にすべき」とのことでした。
「週の7日のうち5日出勤しているから、7分の5である約7割を計上しよう」
と考えられるかもしれませんが、実際に出勤しているのは夜だけで、週の7割も仕事をしていないとツッコまれてしまうかもしれません。
”完全に仕事目的の費用”としてどうしても計上したい場合でも、デートなどプライベート目的ではない証明はほぼ不可能に近いでしょうから、かかった額の3割~4割程度にとどめておいた方が安全そうです。
出勤時のヘアセット代、着付け代
ジム、マッサージ代
基本的に、ジムの会員費やマッサージ代はNGです。
ただし、ダイエット目的のジムに通いビフォーとアフターの写真が相当変わっていて、第三者が見ても「ドレス着用の見栄えの変化が明らかに売上に直結している」と受け取れる証拠があれば、許容される可能性はあります。
しかし、”見た目の変化”は個人の主観でもあり、税理士でも調査員でも判断が分かれるようなグレーな項目です。計上を100%ではなく何割かに留めておくなど、できるだけ安全策を取るべきでしょう。
心配な場合は、変化の写真など証拠になりうるデータを持って、プロに相談してみてください。
マッサージに関しては医療目的であれば医療費控除として計上できますが、国家資格を持たないマッサージ師による施術は、医療目的とは見なされません。
ただし、はり・きゅう、あんまマッサージ指圧師、柔術整復師といった国家資格保持者による治療・診療は、医療費として経費計上できます。
例外として、お客さんと一緒にマッサージ店に行った場合は「接待交際費」にできますが、同行していた事実を証明できなければ経費には認められません。
タクシー代、交通系ICにチャージしたお金
自宅からお店までの通勤費に関しては、認められます。
また、アフターで終電後、自費でタクシーで帰った場合にも経費になります。
ただし通勤費について
「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路および方法による運賃等の額」と所得税法施行令第20条で定義されています。
電車がある時間にタクシーに乗った場合は、やむを得ない事情など特別な理由(証拠付き)がなければ、経費として認められにくいと考えましょう。
では交通系ICカードにチャージした金額は、全額交通費として計上できるでしょうか?
出勤時の交通費としてのみICカードを使う場合は、履歴によってその用途と金額の証明ができれば、問題ないです。
しかし、チャージ金額はタッチ決済で消耗品や飲食代にも使えます。
ですから、履歴による証拠がないと税務署にはツッコまれるポイントとなります。
また、
- チャージの領収書
- 決済時の領収書
この2つを二重で計上してしまうのもNGです。
単なるミスではなく意図的な脱税だと認められてしまうと罰金対象になる可能性もあるので気をつけましょう。
自宅からお店までの通勤費
終電後のタクシー代
仕事で使うスマホ代・通信費
電話代や通信費は、お客さんへの営業電話・営業メールとして必要経費です。
プライベート用と仕事用のスマホ、2台を掛け持ちしていれば、仕事用の費用は全額経費計上できます。
1台で仕事とプライベートを兼ねている場合は、仕事で使用する頻度の割合だけを一部計上しましょう。
スマホの端末代も経費計上が可能です。
購入費が10万円未満であれば「消耗品費」
10万円以上であれば「工具器具備品」
として申告します。
自宅で作業している場合の家賃、水光熱費
自宅で出勤時間外に営業メールを送ったり事務作業をする場合、事務所として一部家賃の経費計上が可能です。
自宅の場合は使用時間ではなく、どの程度の面積を事務所をして使用しているのかに応じて計算します。
フリーランスの場合は3~4割にとどめておくのが、税務署からも怪しまれにくく安全です。
ガスや水道代に関しては、飲食業や料理教室を営んでいるなら別ですが、事業と関係があると証明できなければ計上不可です。
(ただし冬場に限り、ガスストーブなど暖房代として事務所経費にするのはOK)
家賃と光熱費の、仕事として使っている割合分。
(3~4割が安全)
お客さんとの会話のための書籍など勉強代
業務上、直接必要な支出であれば、経費として認められます。
例えば、確定申告や税金に関しての書籍など、個人事業主として事業に必要だと解釈できるものに関してはOKです。
この場合、「新聞図書費」として計上できます。
ただし、自己啓発本や経営本など”直接的に”関係ないとも受け取れる内容に関してはグレーです。
業務を営む者又はその使用人(業務を営む者の親族でその業務に従事しているものを含む。)が当該業務の遂行に直接必要な技能又は知識の習得又は研修等を受けるために要する費用の額は、当該習得又は研修等のために通常必要とされるものに限り、必要経費に算入する。
所得税基本通達37-24
次のスクールの項目で紹介しますが、学習コストが審判所によって認められなかったケースもあります。
直接的に事業内容と関係性を説明できないものは、計上しない方が安全です。
外国人接客のための英会話スクール代
インバウンド需要で外国人の接客をすることが多く、実際に自分のお客さんに抱えている場合は、英会話取得の勉強代が経費として認められることがあります。
ただし、英会話の学習費用が実際に事業の売上につながっていることを、客観的に証明できなければ経費としては認められません。
個人事業主の学習費が国税不服審判所に認められなかったケースを以下に紹介します。
○個人の歯科医師(請求人)が、英会話の研修費を必要経費として計上した事例
請求人は、
「国際的な学会に参加することは、新知識、新技術の修得のために不可欠であり、そのためには専門的な英会話能力が必要」と、英会話の研修費は事業経費であると主張しました。
しかし結果として、英会話研修の受講は歯科診療の事業遂行上必要なものであるかどうか、
「客観的に明らかであることを確認できない。」と却下され、過少申告の処分を下されてしまったのです。
実際に、担当した外国人患者は直近3年間で1度のみでした。
参照;国税不服審判所(平13.3.30裁決、裁決事例集No.61 129頁)
このように、客観的事実に基づいて売上を獲得するために必要であるという証明ができないと、経費計上は難しいです。
お客さんとの旅行費用やプレゼント代
旅行費用に関しては、例え接待の目的だったとしても全額を経費として計上することは難しいです。
高額にもなる上、プライベート目的ではない証明が難しく、税務署は認めてくれるかはかなり疑問です。
遠出の旅行代は含めずに、せいぜい近場のゴルフ接待までに留めておくのがベターでしょう。
(自腹の支出に限ります)
飲食代やプレゼント代に関しては、経費計上が可能です。
この場合は「接待交際費」にできます。
ただし、自分のために買った高級品を”お客さんへの贈答品ということにして”交際費に計上するのは後々バレる可能性があります。
高額品になると、誰に渡したのか名前と連絡先を訊かれ、お客さん本人に確認の連絡がいくケースも実際にあるそうです。
(自分で払った場合)
お客さんとの飲食代、ゴルフ代、プレゼント代は「接待交際費」にできる
夜職女子が税金対策としてできること
以上、代表的な夜職の経費として計上できるものとNGな項目でした。
なるべく経費は多く申告した方が所得とそれに応じた税額が軽減できます。
しかし、経費として認められないと後から税務調査が入った場合に咎められたり、仮に故意の脱税とみなされてしまうと重い罰金の対象になってしまうことがあります。
では、安全に合法なやり方で、少しでも税負担を軽くできないでしょうか?
- 経費を正確に計上する
- 「青色申告」で提出する
これらの方法で、少しでも節税できることがあります。
経費を正確に計上する
「真面目に申告すると、あまり経費にできそうなものは少ないなあ」
そう感じられるかもしれませんが、例えばミーティングに使用したカフェのコーヒー代、名刺などの雑費、小さな額でも積もれば山となります。
事業と関連性のあるレシート・領収書は少額でももらっておいて、ばっちり経費として計上しましょう。
「青色申告」で提出する
確定申告の方法には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
白色申告→事前申請が不要。簡易的な作業で済む
青色申告→事前申請やより詳細な申告を求められる
税金対策をしたい人は、青色申告を事前申請しておくことを推奨します。
青色申告のメリット
○最大65万円の控除が受けられる⇨税負担の軽減が可能
(白色申告の控除は最大48万円)
○赤字を繰り越せる⇨翌年以降、税負担軽減の可能性
ただし、申告したい年度の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
もし申請期限に間に合わなかった場合は、その年の申告は自動的に白色申告となります。
例;2022年1月1日〜12月31日の申告をする場合
確定申告の時期→2023年2月16日〜3月15日
青色申告の申請期限→2022年の3月15日(もしくは開業から2ヶ月以内)
今年の申告作業(昨年分の勘定)に間に合わなかった人は、来年に向けて早めに準備しておきましょう。
青色申告の申請方法
「所得税の青色申告承認申請書」を、期限内に納税する地域の税務署に提出します。
書類は直接税務署でも受け取れ、名前や業種など記入するだけでOKです。
まとめ
経費計上できるものリスト
- お店でしか着ないドレス・着物・コスプレなど衣装代
- 出勤時のヘアセット代、着付け代
- 自宅からお店までの通勤費、終電後のタクシー代
- 仕事で使うスマホ代・通信費
- 家賃と光熱費の仕事で使用する割合(3~4割が安全)
- 事業に関係のある書籍など勉強代
- (自分で払った)お客さんとの飲食代、ゴルフ代、プレゼント代
- その他ミーティングで使ったカフェ代、仕事用の雑費など
夜職の女性は稼いでる金額もそれなりに大きいため、税務署から目をつけられやすいです。
「周りの人はみんなバレていないから大丈夫」とザルに穴の対処をすると、法的な罰則というかなり痛い目を見てしまうケースも実際に少なくないのが現状です。
事業との関連性がグレーな項目や、計上しても咎められない割合など、個人の判断では難しい点が多くあります。
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